永村裕子さんの「チェルシーフラワーショー2025」報告会
- 中村緑地建設
- 7月8日
- 読了時間: 2分
2025年7月8日は、永村裕子さんによるチェルシーフラワーショー2025・南アフリカチーム作品の制作参加報告会が開催されました。制作の裏側や作品のテーマなど、現地での貴重な経験を共有してくださいました。

作品のデザインを手がけたのは、ランドスケープデザイナーのLeon Kluge氏。
南アフリカの両岸に広がるインド洋と大西洋、二つの海に沿った多様な植生をイメージし、固有の植物をふんだんに使ったダイナミックな庭がつくられました。
ルイボスティーで表現した茶色い川、砂地に残るキツネの足跡など、自然の情景を詩的に描いた構成が印象的でした。

特に印象深かったのは、「庭をつくる過程で植物を殺さない」展示スタイル。
あえて切り花を使用し、元の株は圃場に残し生き続けることで、5日間の展示後も再び花を咲かせることができます。展示終了後はブーケとして来場者に販売され、その収益は環境保護資金として使われるそうです。

「サステナブル」や「リサイクル」などの言葉は並べられるだけになりがちですが、この南アフリカの展示は植物の命を尊重し、それを最後まで活かしきる姿勢を示しており、深く心を動かされました。
報告会の最後には、長年チェルシーショーに関わってきた永村さんだからこそ語れる、現実的な視点からのお話がありました。
「チェルシーは5日間だけの華やかな祭りにすぎず、賞を取ったからといって仕事が増えるわけではありません」と語り、ショーの表と裏を率直に伝えてくださいました。

華やかさに憧れるだけでは見落としがちな、植物と真摯に向き合う姿勢。
今回の報告は、私たち自身の空間づくりや植物との関わり方を、もう一度足元から見つめ直すきっかけとなりました。








